『ギュレギュレ』 斉藤洋 236
ある朝、「ごめんください」という声とマンションのドアに体あたりしたような音が聞こえました。うちに用があったら普通はピンポンを押すはずなのに、なんだろう?とドアを開けたら、そこに不思議なトルコ人のセールスマンが立っていて、勝手にドンドンしゃべり始めたんです。
まずはトルコ語でのあいさつの言葉を教えてくれました。そして、自分が持ってきた素晴らしい商品を買いなさいというのです。そんなこと急に言われたって困る~と思いながらも、彼が薦める絨毯を見てビックリ!
それ以降、トルコ人のセールスマンは度々、この部屋を訪れるようになり、ビックリする商品をいろいろと紹介してくれたんです。
トルコ語で「おはよう」は「ギュナイドゥン」というのですが、主人公であるわたしは上手く言うことができません。セールスマンは毎回発音を直してくれるのですが、なかなか難しい!
「どうもありがとう」は「 テシュキュレデリム」。不思議なのは「さようなら」で、立ち去る側は「アッラハウスマルドゥク」と言い、見送る側は「ギュレギュレ」と言うのです。
トルコ人のセールスマンの押しの強さに最初はたじたじだった「わたし」が、少しずつ彼がやってくるのが楽しみになってくるあたりがとっても面白い!
そして、まさかのラストの展開!
やっぱり斉藤さんが作り出す物語は面白いです。
2537冊目(今年236冊目)
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