『ことわざから出会う心理学』 今田寛 211
「よく学び、よく遊べ」
この言葉の真意は、「学ぶときは一生懸命学び、遊ぶときは思いきり遊びなさい」のはずなのですが、どうも意味を分かっていない人が多いような気がします。
よく学んだことのご褒美が遊ぶということだと思っている人、「よく遊べ」は省略してもいいと思っている人、「遊ぶ」を餌にして勉強させようとする人、そういう人ばっかりな気がするのです。
本来は学ぶことも遊ぶことも大事なことで、両方あってバランスがとれるはずなんですけど、学んでばっかりで頭でっかちな人だらけになってしまったから、こんな日本になってしまったのかなと思うのです。
「出る杭は打たれる」
日本人って嫌だなぁって思うのが、これですよね。特別な才能があるとか、目立つとか、本当は素晴らしいことなのに「生意気だ」とか「謙虚でいなさい」なんて、せっかくの才能をつぶしたがる人の多いこと!「年下の人から物を教わるのが嫌だ」なんて言う人やら、「飛び級は許さない」とか、心の狭い人の言い訳として使うのは、もう終わりにしましょって言いたいです。
「馬を水辺まで連れて行けても、水を飲ませることはできない」
「あなたのために」とか「せっかくなんだから」とおせっかいしても、本人が嫌なことはやらないものです。やったふりはしても、結局は続かないことのほとんどは、本人がやりたくないからなんです。
ことわざって世界中で同じようなものもあれば、国によって違うものもあります。それぞれの国の自然環境や為政者の考え方などによって変わってしまうこともあるし、それ以外の理由で長年使ってきたことわざもの意味が変わってしまうこともあります。
ことわざも、社会を反映するものなのだから、時々更新しないといけませんね。もし、それをさせないようにする圧力があるとしたら、それは悪意以外の何物でもないのですから。
この本は 書評サイト 「本が好き!」 より献本して頂きました。どうもありがとうございました。
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