ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『みつばの郵便屋さん 7 あなたを祝う人』 小野寺史宜 227 | トップページ | 『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治 229 »

『ショパンとリスト』 高野麻衣 228

ショパンとリスト

高野麻衣(たかの まい)

集英社文庫

 ショパンとリストが同じ時代の人だったのですね。2人とも偉大な作曲家であるという認識はあったのですが、ショパンが書いた曲をリストが演奏したことをこの本で初めて知りました。ショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれた人ですが、ジョルジュ・サンドとの出会いがなかったら、もっと若いうちに死んでいたかもしれません。

 一方、リストはほとんどの曲を初見で完璧に弾きこなす天才ピアニストでした。そんな彼がショパンのある曲だけを初見で弾けず、数週間特訓したという話は、この2人の関係性に大きな影響を与えたのでしょう。リストはショパンをたたえ続け、ショパンはそんなリストがちょっと煩わしいという気持ちを持っていたのかもしれません。

 2人とも音楽家として成功し、ヨーロッパ各地で音楽活動を行いながらも、大国に翻弄される祖国(ショパンはポーランド、リストはハンガリー)のことを思い悩み続けていました。2人が活躍した19世紀にもロシアがヨーロッパに手を伸ばしてきていたことが物語の中でも語られています。

 ショパンとリストの友情、あるいは愛情というべきかもしれない思いが書き綴られたこの物語、フィクションであることは分かっていながら、でも、こんなことがあったのかもしれないと思わせる何かがあるのです。とはいえ、思いっきりBLっぽいこの作品、好き嫌いが大きく分かれるだろうなぁ。

 リストの「愛の夢」を聞きたくなりました。

2529冊目(今年228冊目)

« 『みつばの郵便屋さん 7 あなたを祝う人』 小野寺史宜 227 | トップページ | 『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治 229 »

日本の作家 た行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 『みつばの郵便屋さん 7 あなたを祝う人』 小野寺史宜 227 | トップページ | 『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治 229 »