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『一万円選書』 岩田徹 253

一万円選書
北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語

岩田徹(いわた とおる)

ポプラ新書

本当に、人生いろいろですから。悩みがない人なんていないんです。傷つけられることも、傷つけてしまうこともあります。もし悩みがない、傷ついたことがない、という人がいたら、忘れているか、蓋をしているか、見栄を張っているか。もし稀にそういう人がいたとしても、一万円選書には応募してこないでしょうね。
一万円選書に応募したお客さんは、この選書カルテを書くことで、自分の過去の傷を癒したり、現在地を見つめなおしたり、向かいたい未来に進んだりするための、解決策やアイデア、何かしらの「答え」をご自身で導いていかれるんですね。「本当はこれがしたい」「これがしたくない」「あの人に会いたい」と。職場や学校などの周りの評価とか、SNSの情報に振り回されない、自分の本心に気づいていく。結局、「答え」はその人の中にしかない。自分で見つけるしかないんです。p59

Itiman
 北海道の小さな書店「いわた書店」が行っているこのサービス、気がついたら凄いことになっていたんです。今や申込みをしても抽選で選ばれないというほど人気になってしまったのです。当選した人は、「選書カルテ」の質問に答えなければなりません。「これまで読まれた本で印象に残っている20冊を教えてください。」「これまでの人生で嬉しかったこと、苦しかったことは?」などの質問にすべて回答したところで、初めて選書してもらえるのです。

 この質問に答えていくのが大変だとおっしゃる方がかなりいるそうです。質問されたことに真剣に向かい合ってみると、「ああ、こういうことを今まで考えてきていなかったのだな」と気づくことが多いようなのです。

 

新刊より既刊を。絶版本も蘇らせるp159

 各出版社は新刊を売ることには熱心ですけれど、すでに出版されている良い本を大事にしようとはしてくれません。これまでに売れていなかったからというだけで絶版になっていた本を復刊したり、みんなに忘れられていた本を発掘したり、「一万円選書」によって日の目を見た本がたくさんあるのです。

 

だから僕は、一万円選書を全国の書店さんでやりたい人はやって欲しいと思っているんです。北海道の書店の会合なんかでも、マネしたかったら真似して!ってよく言っています。「冷やし中華、始めました」って感じで、うちでも「一万円選書、始めました」って、どんどんはじめちゃてほしい。僕が死ぬまでの一生をかけてもできる数には限りがあるし、選ぶ人によって得意分野も感性も違う。本屋には、児童書が得意な人もいれば、ミステリーが得意な人もいれば、コミックが得意な人もいますから。p169

 面白い本がないかな?と思っていたけれど、それを見つけられなくて困っていた人が大勢いたんだな。勧めてもらった本を読んで人生が変わった人がいるんだな。「いわた書店」だけでなく、様々な書店がこういうサービスをしたら、良い本との出会いがもっと増えますよね。読書する人が減っている今だからこそ、みんなが真似すればいいのにって思います。

 この本の最後に載っていたおすすめ本のリストを眺めていたら、読みたい本がたくさん見つかりました。

 一万円選書で新しい自分を見つけたら、次に読みたい本は今までとは全く違う本になっているかもしれません。そこからが、新しい旅の始まりですよね。

 この本を読んでいるうちに、いわた書店のある町が、わたしの父の故郷のすぐ近くだということに気がつきました。一度行ってみたいなぁと思っています。

 

カーテンコール! 加納朋子
田村はまだか 朝倉かすみ
トリツカレ男 いしいしんじ
パリのすてきなおじさん 金井真紀
手から、手へ 池井正樹
深呼吸の必要 長田弘
歌集 滑走路 萩原慎一郎
朗読者 ベルンハルト・シュリンク
アーモンド ソン・ウォンビョン
逝きし世の面影 渡辺京二
11/22/63 スティーヴン・キング
ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。 幡野広志
京の大工棟梁と七人の職人衆 笠井一子
ファイティング寿限無 立川談四楼
へろへろ 鹿子裕文
始祖鳥記 飯嶋和一
羊飼いの暮らし ジェイムズ・リーバンクス
神さまたちの遊ぶ庭 宮下奈都
大事なことほど小声でささやく 森沢明夫
やがて訪れる春のために はらだみずき
生きるぼくら 原田マハ
銀の猫 浅井かまて
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった 岸田奈美
永遠のおでかけ 益田ミリ
なんで僕に聞くんだろう。 幡野広志
きのうのオレンジ 藤岡陽子
対話篇 金城一紀
人生にはやらなくていいことがある 柳美里
すき好きノート 谷川俊太郎
お父さん、だいじょうぶ?日記 加瀬健太郎
お父さん、まだだいじょうぶ?日記 加瀬健太郎
大家さんと僕 矢部太郎
万寿子さんの庭 黒野伸一
小暮荘物語 三浦しをん
キャベツ炒めに捧ぐ 井上荒野
心の傷を癒すということ 安克昌
にげてさがして ヨシタケシンスケ
緑色のうさぎの話 道尾秀介
はやくはやくっていわないで 益田ミリ
横道世之介 吉田修一
続 横道世之介 吉田修一
茗荷谷の猫 木内昇
昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉
胎児のはなし 最相場月
僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ
他者の靴を履く アナ―キック・エンパシーのすすめ ブレイディみかこ
10万人を超す命を救った沖縄県知事・島田叡 TBSテレビ報道局「生きろ」取材班
オシム 終わりなき闘い 木村元彦
誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡 木村元彦
新版 悪者見山ユーゴスラビアサッカー戦記 木村元彦
オシムの言葉 木村元彦
しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子
もう年はとれない ダニエル・フリードマン
もう過去はいらない ダニエル・フリードマン
もう耳は貸さない ダニエル・フリードマン
ワン・モア・ヌーク 藤井大洋
オービタル・クラウド 藤井大洋
楽園のカンヴァス 原田マハ
図書館ねこデューイ ヴィッキー・マイロン
悲しみの秘儀 若松英輔
エンド・オブ・ライフ 佐々涼子
滅びの前のシャングリラ 凪良ゆう
書店主フィクリーものがたり ガブリエル・セヴィン
チャリンク・クロス街84番地 増補版 ヘレーン・ハンフ
さざなみのよる 木皿泉
スマホ脳 アンデシュ・ハンセン
棟梁を育てる高校 笹井一子
静かな大地 池澤夏樹
虹いろ図書館のへびおとこ 桜井とりお
私たちは幸せになるために生まれてきた 朴慶南
きみのためのバラ 池澤夏樹

2554冊目(今年253冊目)

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