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『はぐれんぼう』 青山七恵 256

はぐれんぼう

青山七恵(あおやま ななえ)

講談社

NetGalleyJP

あさりクリーニング店で働く優子は、持ち主が長く引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」たちを自宅に持ち帰る。
翌朝目覚めると、それら衣服が体全体を覆っていた。
不思議な感情に襲われた優子は衣服の持ち主のもとを訪れるが、次々に受け取りを拒絶される。道中に出会ったトレンチコートの謎の男ユザさんに導かれるまま、「はぐれんぼちゃん」を身に纏ったちぐはぐな姿で、優子は帰るべき場所を求めて再び歩き始める。(書籍紹介 より)

 クリーニング店に置き去りにされていた「はぐれんぼちゃん」を持ち主のところへ帰そうとしても、拒否する人ばかりで優子さんはビックリしてしまいます。お金を払ってクリーニングに出した服なんだからそれなりに愛着があるのだろうと思っていたのに。いらないものならクリーニングに出さずに捨ててしまえばいいのに、どうしてそんな中途半端なことをするのか?優子さんは思い悩みながら歩き続けます。

 そして、自分と同じように着ぶくれた状態で歩いている人たちと出会い、クリーニング工場へと向かったのです。

 

 少しずつクリーニングに出せばいいのに、ためるだけためてからドサッと持ち込む人とか、毎週決まった枚数の服を持ち込む人とか、クリーニング店へやってくる人たちを、優子さんは静かに観察していました。そして、大事にされない服のことをかわいそうだと感じています。だからこそ、かわいそうな服たちを何とかしてあげたいと思っていたのに。

 

 なんだか不思議な物語なんですけど、洋服に代表されるモノに対する執着のことを考えさせられました。買ったときは気に入っていたのに、いつの間にか着なくなってしまった服があったり、もう着られないない服なのに捨てられなかったり。断捨離が流行っているようでいて、そう割り切れない人がやっぱり多いのですね。

 物語はとんでもない方向へ展開するのですが、最後はハッピーエンドだったのかしら?

#はぐれんぼう #NetGalleyJP

2557冊目(今年256冊目)

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