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『「一万円選書」でつながる架け橋』 岩田轍 264

「一万円選書」でつながる架け橋

岩田轍(いわた とおる)

竹書房

一万円選書には7回の楽しみがあります。
・応募して「抽選に当たったらいいな」と待つ楽しみ。
・「おめでとうございます。当選しましたよ」というメールが届いた時の喜び。
・カルテに思いの丈を書き込んで楽しい。
・線sののラインナップをメールで確認してワクワク。
・実際に本が送られてくるのを待つ楽しみ。
・本が届いた時の嬉しさ。
・届いた本が面白かった時の感動。

一万円で7回楽しめたら、結構お得だと思いませんか(笑)。p60

 

一万円選書」と被る部分もありますけど、この本では書店の使命について岩田さんは熱く語っていらっしゃいます。面白い本を、それを読みたいと思う人に届けたい。良い本なのに知られていない本を発掘したい。そういう気持ちが岩田さんを突き動かしているのです。

 

使命と言うとおこがましいですが、僕は本屋には役目があると思っています。
それは面白い本をみんなに薦めることです。売れる本は放っておいても売れる。むしろ、知られざる名作を掘り起こし、世間に知らせていくことこそ本屋の本文であり、醍醐味ではないかと思うのです。p115

一万円選書を支持してくれている層はスマホ世代が多いんです。これは周囲に本の知識を持った人がいないから、一万円選書をあてにしてくれている証拠です。だからこそ、もっと多くの本のプロが必要だと思うんです。p138

 面白い本を読みたいと思っていても、本を薦めてくれる人が近くにいないという悩みを持っている人が、世の中に結構いるのですね。そういう人に対して、その人に合った本を紹介するのは大事な仕事なのだけれど、かなり手間がかかる作業です。ですから大きな書店ではなく、小さな書店こそこういうことをすべきだと岩田さんはおっしゃっています。

 そして、それをやっていかないと本を読む人が益々減ってしまうという危機感もお持ちのようです。

僕が「この仕事をやっていてよかった」と思う瞬間は、お客さんから「あの本面白かったよ。教えてくれてありがとう」と言ってもらえる時です。これに尽きます。p164

 こういう関係が築けたら、お客様はその書店でこれからも本を買い続けてくれますよね。あそこへ行けば面白い本に出合えるという書店があるというのは、とても嬉しいことですもの。

(一万円選書の)ラインナップをお客さんにメールします。すでに持っている本と被ってしまうことを避けるためです。その際、特に東大生に多いのですが「岩田さんはどうして、僕にこの本を選んだのですか?」と質問が返ってくるんですね。僕は決まってこう返します。「先に解答をみるのではなく、ぜひ本を読んで、自分自身で考えてみて下さい」と。p166

 答えをすぐに知りたいということばかり考えるのではなく、自分の頭で考える、自分の感性で感じる、そういう体験こそが大事ですよね。他の人と同じ部分に感動しなくていいのだし、自分なりの「ここがイイ!」ということこそが宝物です。頭でっかちになりがちなのは、若者だけではありません。心が固くなった老人だって同じこと。思いがけない提案に対して「それ頂きます!」って、いつでも言える自分でいたいなって思います。

2565冊目(今年264冊目)

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