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『独学のプロレス』 ウルティモ・ドラゴン、小佐野景浩 279

独学のプロレス

なぜ究極龍は世界で賞賛されたのか?

ウルティモ・ドラゴン

小佐野景浩(おさの かげひろ)

徳間書店

 ウルティモ・ドラゴン、彼は天才的なプロレスラーであるだけでなく、優秀なレスラーを大勢育てたということこそが、彼の功績だと思うのです。強いレスラーがチャンピオンベルトを腰に巻くという、ストロングスタイルだけがプロレスではないということを実現してきたのがウルティモ・ドラゴンという人なのです。

 

レスラー兼ブッカーと言う人は多いですけど、自分が試合をしちゃうと、他の試合を観ることができないじゃないですか。闘龍門ができた時、たまたま自分は怪我をしていて第一試合からすべての試合を観ることができたんです。結果的にブッカーに専念することがよかったんです。あの時、リンクに登場している人はブッカーをやっちゃいけないんだと痛感しましたよ。p190

 ブッカーとは、本来は外部の選手に出場交渉する人ですが、現在は対戦カードを決める人(マッチメーカー)と兼任している人が多くなっています。ほとんどのプロレス団体では、自分の団体所属選手以外の人を参戦させるというスタイルですので、ブッカーの力はとても重要なのです。選手の個性を見抜く力も必要だし、あのブッカーの誘いなら受けようと思わせる人徳も大事です。ウルティモ校長は、その両方を兼ね備えた優秀な人ですが、当時自分が試合できない状態だったことが幸運だったと思えるのは、凄いことだと思います。

 

照井に「お前、今日からファッションモデルだからな」と言って、それがミラノ・コレクション A.T.誕生のきっかけです。A.T.はアキヒト・テルイのイニシャルです(笑)p249

 闘龍門の選手たちに対して、ウルティモ校長はそれぞれの個性を見出し、それを推し進めることでスターを多く輩出してきました。ミラノ・コレクション A.T.はジャーベ(関節技)のスペシャリストです。飛んで跳ねてというのがルチャだと思っていた人たちに、こういう技もあるんだよと見せていったのも、画期的なことだったのです。

 ミラノ・コレクション A.T. は新日本などのメジャー団体へも参戦するようになりましたが、ケガで引退。現在は解説者として活躍しています。闘龍門では、プロレス技術と同じように、話す技術も重要視しています。自分をより目立たせるために、試合をより面白くするために。そして、引退後も解説者などの「話す仕事」ができるというのも、大事なことです。

 

よくオカダのことをきかれるんですけど、教えたのはプロレスのベースだけ、あくまでレインメーカーとしてブレイクしたのは新日本であり、何よりもオカダ自身のセルフ・プロデュースだと思うんです。平仮名の「 岡田かずちか」とレインメーカーの「オカダ・カズチカ」はまったく別のキャラクター。今のオカダの活躍は、自分の生徒さんだったことを考えれば、とても光栄なことだと思っています。p308

 オカダの最初のリングネームは「和睦という名前をみんな読めないだろうから、”岡田かずちか”という表記にしよう」とウルティモ校長が決めたのだそうです。現在は新日本プロレスの看板選手となったオカダ・カズチカですが、彼のことばの力、技の見せ方などは、闘龍門にいたからこそなのだと思います。彼の試合を観ていていつも思うのは、あの美しいドロップキックは、ウルティモ校長への憧れから生まれたのだろうなということです。

 

彼らには、彼らの思いというのがあって・・・家族で言うと、ある日突然、両親が離婚して、お父さんの僕が出て行って、子どもたちはおかあさんに付いて行った。それがどこかで喧嘩してお母さんがいなくなって、お父さんが戻ってきたみたいな。一番わかりやすく言うと、そんな感じを受けました。p393

Photo007  闘龍門に復帰した時、ウルティモ校長はそんな気持ちだったんですねぇ。大勢の子どもたちに迎えられた彼は、みんなから慕われている幸せを感じたんでしょうね。この本を書いた時点で54歳、身体はきつくなってるでしょうけど、ミル・マスカラスのことを考えたら、まだまだやれるかな?

 ウルティモ・ドラゴンのラ・ケブラーダは、とにかく美しい。これからも長く活躍されることを祈っています。

2580冊目(今年279冊目)

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