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『長いお別れ』 中島京子 276

長いお別れ

中島京子(なかじま きょうこ)

文春文庫

 かつて中学の校長だった東昇平さんはある日、同窓会にたどり着けず、自宅に戻ってきてしまいました。どうもオカシイということで病院で見てもらったところ「認知症」だと診断されてしまいました。

 認知症は突然進行する病気ではないのだけれど、周りが単なる物忘れだなんて思っていると、かなり重症になるまで気づかないことが多いのです。

 本当のことを言うと、本人も家族も何となくおかしいなとは思っているんです。ただ認めたくないんですよね。ちょっと物忘れしてるだけ、歳とったから思うように動けないだけ、ということにしておきたいんです。そして、道に迷うようになったり、言葉が出てこなくなったり、人の名前がどんどんわからなくなっていき・・・。

 日本の老婦人は忍耐強いですからね。黙々と老々介護を続け、子どもたちがたまに実家に帰った時に、その現実に驚くというのが、認知症あるあるです。

 この物語の中で、最初の方は「しょうがないなぁ」と笑えるレベルだった昇平さんの行動が、段々と進行していくところは、ちょっとしたホラーです。でもね、これが現実なんですよ。自宅での介護ってとてつもなく大変なのに、実際に自分がその立場になるまで気づかないのです。

 最後のシーンのアメリカの学校の校長先生が教えてくれたのは、認知症のことをロング・グッドバイっていうこと。

 「急なお別れではなくて、時間をかけてのお別れ。」

 そういうものだって、最初に誰か教えてよ!

 家族の名前すら忘れてしまうことを、無駄に悲しまずに済むように。

 学校の「保健体育」とか「家庭科」で、そういうことを教えてくれたらいいな。

2577冊目(今年276冊目)

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