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『クラスメイトの女子、全員好きでした』 爪切男 298

クラスメイトの女子、全員好きでした

爪切男(つめ きりお)

集英社

「お父さん、僕はどうしたらいいの?恋ができないぼくは、みんなが恋をしているときにどうしたらいいの?」
「そうやな、”覚えろ”」
「覚える?」
「女の子たちの顔や、話したこと、すごした時間をずっと覚えとけ。それは、おまえが大きくなったら、ほんまに大切な宝物になる」
「わかった、頑張って覚える!あと、大人になってから、僕のことを好きやと言ってくれる子が出てきたらどうしたらいい?」
「狩れ、逃さずに全員狩れ」(まえがき より)

 お父さんの言うことをしっかりと守った爪切男さんは、いろんな女の子のことを記憶に残しました。可愛かったあの子も、取っ組み合いのけんかをしたあの子も、一緒に教室のワックス掛けをしたあの子も、みんなステキな女子ばかりです。

 たったひとり、男子の同級生も出てきましたけど、今頃は女子になってるかもしれません。

 

 自分はモテないからって爪切男さんは言うけれど、そんなことはないような気がします。なんだかんだ言って、女子たちとよく話をしてるじゃないですか。女子って冷酷だから、嫌な奴とかキモイ奴とは話なんかしてくれないんだから、あなたはOKな範囲の男子だったんだと思います。カッコいいとか、頭がいいとかじゃなく、人間としての魅力ってのがあるんだろうなぁって思います。

 爪切男さんは、女の子のいいところを見つけるのが上手だなぁ。「あの子のここが好きだ~!」って大きな声で言える爪切男さんはステキです。

2599冊目(今年298冊目)

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