『東京「暗渠」散歩』 本田創 315
暗渠というのは、もともと川や水路だったところに蓋をし、道路として使用しているものです。多くの暗渠は強度的に強くないので、車両は通行できないことがほとんどです。遊歩道として使われているところも多くあります。
昔、わたしの実家の裏にどぶ川がありました。それがある時に暗渠化され、歩道になったのです。それを見ていたので、暗渠というものに興味を持つようになりました。
東京には、それはそれは多くの暗渠があります。かつては川でしたから、橋が架かっていた場所が多く、今でも橋の欄干や、石の護岸がなどが残っている場所が数多くあります。渋谷にある「宇田川」のように、そこがかつて「川」であった痕跡を示す地名が多く残されています。
原宿のキャットストリートの下には、唱歌「春の小川」として知られる渋谷川があったり、「新橋」「参宮橋」のように「橋」が付く場所は、かつてそこに川があったという名残なのです。
その他、暗渠をみつける方法がいくつか紹介されていたのですが、狭い場所にマンホールが数多く並んでいる場所は、暗渠であることが多いそうです。また、暗渠になっている場所は日当たりが悪くて湿気が多いので苔が生えていることが多いというのも新しい発見でした。
そして銭湯がある場所は、川の近くが多いというのは初めて知りました。銭湯は大量に水を流すので、川のそばであることが多かったそうです。
これから散歩をするときに、こういう観点で地面を見ていくのも面白いなぁと思います。
そして、特筆すべきは付録の地図です。こんなにも暗渠化されている場所が多いとは!
2616冊目(今年315冊目)
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