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    (by 本田宗一郎)

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『鉄道小説』 316

鉄道小説

乗代雄介(のりしろ ゆうすけ)
温又柔(おん ゆうじゅう)
澤村伊智(さわむら いち)
滝口悠生(たきぐち ゆうしょう)
能町みね子(のうまち みねこ)

交通新聞社

「鉄道開業150年 交通新聞社 鉄道文芸プロジェクト」

 「鉄道」がキーワードとなっている短編集です。何度も使った駅や路線に対しての思い入れって、人によって色々とあるのでしょうね。

 

「犬馬と鎌ヶ谷大仏」乗代雄介
 老犬ペルとの散歩を楽しんでいる坂本くん、家の天袋から小学校の時の発表で使った模造紙を見つけました。地元の鎌ケ谷大仏や新京成線などについて調べ、みんなで作った紙を見ているうちに、あの頃のことをたくさん思い出しました。

「ぼくと母の国」 温又柔
 3歳の時に両親と一緒に日本に来た勇輝は、中学生の時に帰化して苗字が「黄」から「横山」になって、ずっと恵比寿に住んでいます。

「行かなかった遊園地と非心霊写真」 澤村伊智
 怪談作家になろうとしていた伊澤は、同郷の山田に見せられた写真を見て懐かしい気持ちになりました。その写真には阪急宝塚線の中山駅と当時の最新車両8000系、そして一人の少年が写っていたのです。

「反対方向行き」 滝口悠生
 湘南新宿ラインに乗って、宇都宮へ行くはずでした。でも、気がついたら逆方向の電車に乗っていたのです。

「青森トラム」 能町みね子
 東京での毎日が嫌になってしまった亜由葉は、仕事を辞め、叔母・華子が暮らす青森にやってきました。でも、何の目的もないのです。とりあえず、町をグルグル見て回ることにしました。

 

 鎌ヶ谷大仏の近くの土地をタダでもらって移り住んだ人がいるとか、かつての恵比寿は地味な住宅街だったとか、今では想像もできないようなことが描かれていて、そういう話って好きだなぁって思います。

 湘南新宿ラインという名前に、わたしはまだなじめないでいます。母の生まれが小山だったので「東北本線」だったころには良く乗っていましたが、「宇都宮線」という名称に変更されてからは、どうも同じ路線だとは思えずにいます。

 たまに「さいたまスーパーアリーナ」に行くときに乗るのですが、「宇都宮線 普通」でないと「さいたま新都心」駅には止まらないということを忘れて、大宮から折り返すことがあるんです。

 青森トラムに乗ってみたいなぁ、いい路線だなぁって思って調べてみたら、どうも架空の路線のようですね。トラムに乗って青森県立美術館に行ってみたかったのになぁ。

2617冊目(今年316冊目)

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