『23分間の奇跡』 ジェームズ・クラベル 青島幸男 訳 304
わたしが、きょうからみんなの先生ですよ」と新しい先生がいった。時間はちょうど9時だった。その女教師は“最初の授業”で、いったい何を教え、そして子供たちは、23分間でどう変わったのか? 自由とは、国家とは、教育とは何か、読者ひとりひとりに問題を提起する。(書籍紹介 より)
新しい先生は、今までの先生とは全然違うのです。赴任した早々から全員の名前を憶えているし、「国旗に忠誠を誓う」の「忠誠」ってどういう意味だか分かっている?と質問をしてきます。この言葉を毎日言っているのに、その意味をちゃんと分かっている人は少ないのです。
「祈る」ということについて先生は説明してくれます。これまでの先生はそんなことを説明してくれたことはありませんでした。
学校は昨日までと同じ建物だし、そこに集まってくる子どもたちも同じだけれど、どうも世の中が変わったらしいのです。学校での授業の在り方もそれに合わせて変わっていくのでしょう。
この物語を翻訳した青島幸男さんは、きっと自分の体験と重ね合わせていたのでしょうね。戦争が終わって世の中の価値観がガラッと変わってしまった時、それまでの常識はどんどん覆されていきます。為政者はそれを正しいことだと言い、子どもたちはあっというまにその流れに乗せられてしまう。
今も世界のどこかで、このようなことが起こり続けているのでしょう。
2604冊目(今年303冊目)
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