『人生にはやらなくていいことがある』 柳美里 304
柳さんの人生はとても壮絶なのだけど、たぶんご本人にとっては、そういう風に生きてくるしかなかったのだろうなと思う。親や恋人や子どもとの関わり合い方も独特だけど、それも本人にとってはそういう距離感でしか関われなかったんだろうなと思う。
不器用な生き方をしているから、様々な困難にぶち当たることが多いけど、それを変えようなんて思いもしないし、もし変えたとしてもすぐに元に戻ってしまう。
それが大変なことは分かっていても、避けて生きたくないから、必死にあがき、何とかしてきた、それが柳さんの生き方。
だからこそ、ツライ人の気持ちがわかるのかもしれない。世の中から忘れられてしまう人たちを無視できないのかもしれない。
南相馬で書店を開き、ここに根っこを生やすことにした柳さん。普通の人なら落ち着いた後半生ということになるのかもしれないけれど、彼女がそんな人生を歩むとは思えないから、きっとまた何か新しいことを始めていくのでしょうね。
「JR上野駅公園口」のような、名作がまた生まれることを期待してしまいます。
2605冊目(今年304冊目)
« Guns n’ Roses 日本公演@さいたまスーパーアリーナ 11/6 | トップページ | 『あずかりやさん まぼろしチャーハン』 大山淳子 305 »
「新書」カテゴリの記事
- 『経済成長という病』 平川克己 24-350-3376(2024.12.10)
- 『異次元緩和の罪と罰』 山本謙三 24-349-3375(2024.12.09)
- 『新書へのとびら 講談社現代新書創刊60周年 第2部・3部』(2024.12.08)
- 『新書へのとびら 第1部 現代新書はいかにして現代新書になったのか』 魚住昭 24-347-3373(2024.12.07)
- 『ほんとうの定年後』 坂本貴志 24-332-3358(2024.11.22)
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『異次元緩和の罪と罰』 山本謙三 24-349-3375(2024.12.09)
- 『がいとうのひっこし』 山田彩央里 、山田和明 24-318-3344(2024.11.08)
- 『おしごとそうだんセンター』 ヨシタケシンスケ 24-319-3345(2024.11.09)
- 『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』 椰月美智子 24-301-3327(2024.10.22)
- 『きのう何食べた? 23』 よしながふみ 24-287-3313(2024.10.08)
« Guns n’ Roses 日本公演@さいたまスーパーアリーナ 11/6 | トップページ | 『あずかりやさん まぼろしチャーハン』 大山淳子 305 »
コメント