『弱い力でも使いやすい頼もしい文具たち』 波子 331
この本の著者の波子さんは障害があって握力や指の力が弱いので、使うのに不便だなと思う文房具が色々とあったそうです。でも、可愛い文房具を使いたいし、自分のような人も大勢いるだろうと気がつき、「車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち」の本を出されたのです。
もともと障害があった人も、歳をとって指先の動きが悪くなった人も、若くても自分は不器用だからと思っている人にも、この本に紹介されている文房具はとっても使いやすいものばかりです。
握力が弱い人にとって使いにくいホッチキスやハサミも、ちょっとしたアイデアで弱い力で使えるようになっているものがあるんです。片手しか使えない人でも使いやすいレターオープナー、すっと入ってくれるペン立て、転がる心配のないスティックのりなど、探せばいろいろとあるんですねぇ。
文具王の高畑さんとの対談も面白いです。「弱い力でも使いやすい」という視点は、これまでの文具業界にはなかったから、商品開発の面から見ても、面白いものを作っていけるんじゃないかしら。
たとえば、自動車の形をした鉛筆削り(ハシレ!エンピツケズリ!)は、この自動車を前後に走らせるだけで鉛筆が削れます。弱い力でも使いやすいという面だけでなく「自動車好き」な人にもウケるんじゃないかしら?
手が震えやすい人でもブレずにラインが引けるラインマーカーとか、筆圧がいらない筆ペンとか、意外と子供用の文具が使いやすいとか、欲しい文具がまた増えてしまいました。
この本、ページがきれいに開くところも、使う人のことを考えた作りでとてもいいですね。
2632冊目(今年331冊目)
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