『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 アービンジャー・インスティチュート(再読)355
この本を読んだのは何回目だろう?
何年かに一度読み返すたびに「ああ、忘れていた!」と思うのです。
「だって、あいつが自分に敵意を持っているんだもの」「嫌な上司に当たっちゃったよ」「わたしはいつも運が悪い」「いつも家族に怒られている」「どうして、わたしだけこんな目に合わなければならないんだ!」世の中のほとんどの人は、みんなそんなことを思ってるんじゃないかなぁ?
それがイヤで会社を辞めたり、引越したり、離婚したりしても、また次のイヤなことが発生するのは何故なんでしょうねぇ?
この本が語るのは、そういうことの原因は自分だということです。
「自己欺瞞」という箱に閉じこもり、勝手に敵を作って怒り続けている自分こそが、すべてのトラブルの原因だ!という話を、最初からすんなり受け入れられる人は少ないと思います。
でも、話が進むにつれ、なるほどねぇという気持ちになってきます。自分が正しいという箱に閉じこもってしまった状態では、周りの人たちのことを信じられないわけですから、自分の仕事ばかり増えてしまうということ。そんな状態で話をしたら、相手をビビらせるだけ、あるいは怒らせるだけ、とにかく何をしても意味がないこと。
どうしたら、そこから抜け出せるのか?それは人との関りからキッカケが見つかるということ。
なるほどねぇと思えたら、一歩前進です。
他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられるということなんですね。
今回、この本を読んでいて気付いたのは、戦争を起こすような人というのは、間違いなく「箱」に入った人なんだなということです。自分だけが正しいと妄信してしまうことは、実に恐ろしいことなのだなと思うのです。
2656冊目(今年355冊目)
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