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『青くて痛くて脆い』 住野よる 343

青くて痛くて脆い

住野よる(すみの よる)

角川文庫

 あまり他人と関りあわずに生きて行こうと考えていた田端楓は、大学一年生の春に同じ授業を受けていた秋好寿乃に声を掛けられて友達になりました。彼女からの誘いで秘密結社「モアイ」を作って、最初の頃はそれなりに参加していたのですけど、少しずつ自分の居場所がなくなったような気がして、秋好と距離を置くようになっていきました。

 人との距離感の許容範囲は、人それぞれの感じ方があって、ベタベタした感じが好きな人もいれば、物理的にも心理的にもある程度の距離感が欲しい人もいます。楓は、あらゆる意味で距離感が欲しい人なのでしょうね。

 そんな自分の価値観を大事にしてくれない人とは付き合わなくていいと宣言しているけれど、秋好との関係のことは今でもこだわっています。あいつが悪いんだと言い続けて、自分は自分なりの生き方で行くと言い張っているけれど、本当にそうなのかという所を自分自身わかっていなかったのです。

 その後大きくなっていた「モアイ」というグループへの憎悪の気持ちの本当の理由を、楓自身よくわかっていなかったところが、後になってみれば若気の至りなんだけど、そんなことを考えもしないのが若いということなんでしょうね。

 

 それにしても、今時の就職活動はホントに大変そうですね。大学に入るまでは学校や塾の力を借りてなんとかできたけど、就職は自分自身でやっていくしかないんです。学校の就職課も力は貸してくれますけど、人によっては100社以上に当たってみるという現実はつら過ぎます。

 最後に登場した就職後の楓の姿には違和感を感じてしまいました。いくら人生観が変わるようなことがあったからといって、あそこまで変われるものなのかなぁ?

2644冊目(今年343冊目)

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