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『荒野の古本屋』 森岡督行 356

荒野の古本屋

就職しないでいきるには21

森岡督行

晶文社

 現在は銀座で「週替わりで一冊の本に限って販売する」書店を営んでらっしゃる森岡さんは、最初から書店を開こうと思っていたわけではありませんでした。

 彼は中野の古い建物に住み、月に数回神保町へ本を探しに行くのを楽しみにしている若者でした。自由な時間が欲しいので、バイトは無理のない程度に、通常読む本は図書館で借りる。風呂なしの部屋だったので、スポーツクラブの夜会員になって、泳ぎ、風呂に入るという生活をしていました。こういう生活を楽しめる彼の価値観がとてもステキだと思います。

 ある時、神保町の一誠堂書店の求人広告を見たところから彼の運命が変わったのです。ここで働き、学んだことが、その後の彼の人生に大きく影響したのは間違いありません。

 そして、茅場町に書店を開こうと思ったあたりから、これまでにない力が湧いてきたのは、何故だったのかしら?プラハとパリへいきなり仕入れに行くなんて、こういう大胆さがあったからこそ、個性的な書店が開けたのでしょうね。

 

 Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM vol.560 に登場されたときのことを思い出しました。

 少しずつお仕事の形は変わってきたけれど、面白い本を紹介することが書店の使命と考えると、森岡さんのお仕事の幅は更に広がっていきそうですね。

 個人書店が減ってきている今だからこそ、こういう方の力は大事なのだと思います。

2657冊目(今年356冊目)

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