『ミニシアターの六人』 小野寺史宣 352
末永静男監督が亡くなって、1995年に公開された『夜、街の隙間』という映画が銀座のミニシアターで追悼上映されています。上映最終日の前日、午後4時50分の回を見に来た人が6人いました。この映画が好きな人、末永監督に思い入れがある人など、それぞれに違った理由があって、ここにやってきたのです。
銀座で撮影された映画には、路地裏のバー、映画館、交番などの、当時の雰囲気が映し出されています。今も昔も変わらないのは、和光の時計と、日比谷公園くらい。街の様子はいろいろと変わってしまったけれど、一番変わってしまったのは、この町へやってくる人たちなのかもしれません。
記念 三輪善乃 60歳
思念 山下春子 40歳
断章 丸の内
断念 安尾昇治 70歳
無念 沢田英和 50歳
断章 丸の内
雑念 川越小夏 20歳
一念 本木洋央 30歳
断章 銀座
再び記念 三輪善乃
午後七時の回
小野寺さんの映画に対する愛がこもった作品です。
映画のストーリーと映画を見ている人の人生が絡み合っている文章を読みながら、一本の映画を見たような気持ちになりました。
やっぱり映画は映画館で観なくっちゃ!
2653冊目(今年352冊目)
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