『あずかりやさん 満天の星』 大山淳子 335
あずかりやさんの語り手は人間だけではありません。のれんだったり、猫だったり、オルゴールだったり、それぞれの視線で語られる物語は、どうしてこんなにも心に響くのでしょうか。
「プロローグ」に書かれていた手紙を誰が書いたのか、それが最後にわかった瞬間、とても幸せな気持ちになりました。
「金魚」のあの男は、桐島くんに出会えてホントに良かった。あの出会いがなかったら、彼の人生は荒んだままだったのかもしれません。
「太郎パン」で、売れ残って廃棄されるのはイヤだなぁって心配しているパンの気持ちが切ないなぁ。
・プロローグ
・金魚
たいへんです、ある晩、あずかりやさんにナイフを持った男が侵入しました!
・太郎パン
太郎パンというパン屋さんのお店に並んだ「やきそばパン」の気持ち。
・ルイの涙
マルチーズのルイは、おかあさんが大好きです。
・シンデレラ
3年前にガラスの靴をあずけていった人が、あずかりやさんにやってきました。
あなたが「あずかりやさん」にあずけてみたいものをリクエストすることができると巻末に書かれていました。大山先生が気に入ったものを物語にしてくださるということなんですけど、もし書いてもらえるとしたら、何がいいかしら?
どんなものだとしても、その中に秘められたステキな物語を桐島くんが大事にあずかってくれるのでしょう。
2636冊目(今年335冊目)
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コメント
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「本が好き!」から来ました。「Roko's Favorite Things
」の雰囲気も好きですし、Rokoさんの本が好きという気持ちが伝わってきますし、知的な感じがたまらないです!!(^^)!
投稿: わたぼう | 2022年12月 8日 (木) 18:17
わたぼうさん、コメントありがとうございます。
毎日読んでいる本の記録を書いているのですが、時々昔のものを読み直してみると、いろんな気づきがあって面白いんですよ。
これからもよろしくお願いします。
投稿: Roko(わたぼうさんへ) | 2022年12月 8日 (木) 18:36