『佐野洋子対談集 人生のきほん』 佐野洋子、西原理恵子、リリー・フランキー 359
この3人の共通点は多摩美術大学卒業、つまり同窓生なのですが、他にも共通点がたくさんあるのです。美術大学を卒業後、世間が言う芸術や美術関係とは違う道を歩んできて、文章の才能で世に出たということ。そして、3人とも親に関して良くない思いをたくさん持っているのです。
最近は毒親なんて言い方もありますけど、子どもにとってヒドイ仕打ちをする親というのは昔から大勢いたんです。でも、他の家と比較することができないのが親子関係ですから、そんなもんなんだろうと思って育ったという人がかなりいます。そして、何かの拍子にヨソの家庭を見た時に、「エエ~、ウチって変だったの?」と気がつくこともあるし、ヨソの方が変だと思うことすらあります。
でもね、そういう親を持ったからこそ、この方たちは独特の個性を発揮できるようになったんじゃないかしら。
佐野さんが言う「悪口を言うのが趣味のような人こそが、結婚生活を全うできる人」なのだという説には、オオ~と思いました。こんな相手といたら将来どうなるのだろうと真剣に考えて判断できる人なら離婚してしまうけど、そんなこと考えず、ひたすら悪口を言い続けるような人は離婚なんかしないのです。だって、離婚したら毎日悪口を言い続けるネタを提供してくれる相手が必要なんですから。
対談の中で、子どもの頃はイヤな親だなぁって思い続けてきたけれど、自分が歳をとってきてからは「自分には母親と似たところがあるな」とか「あの状況じゃしょうがなかったんだよね」と理解できるようになったこともあるという所に、ちょっと救いがあったような気がします。
この対談、佐野さんの体調が悪化したために、リリーさんの方は予定の半分しかできなかったのだそうです。直接お会いできないなら、交換書簡でどうでしょうと提案されたのだそうですけど、リリーさんが「それは違うな」と思って実行されなかったのです。それは正しい判断だったと私も思います。
3人とも笑いながら話してますけど、結構シビアな話が多くてビックリすることの連続でした。佐野さんはお身体の具合がかなり悪くなっていたようですけど、こうやってかわいい後輩たちと話をすることができて楽しかったんじゃないかしら。
2660冊目(今年359冊目)
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