『人間の値打ち』 鎌田實 341
同じ社会に生きているのに、どうして格差が生まれてしまうのでしょう?
頭のいい人、力のある人、有名な人、お金をたくさん持っている人がエライという価値基準を持つ人が、どうしてこんなにも多いのでしょう?
赤ちゃんや子どもが静かにしないから、思ったようにしてくれないからと言って暴力をふるう大人のニュースを見る度に、なぜそんなことになってしまうのかと疑問が湧きます。
身体が不自由だったり、知識がなかったりして、他の人と同じように動くことができない人を差別したり、バカにしたり、暴言を吐いたりする人もいます。どうして、そんなことができるのでしょうか。もし自分がその立場だったらと考える想像力はないのだろうかと悲しくなります。
自分より弱い人を攻撃しようとする人って、どうしてこんなにも多いのでしょうか。
どんな人でも、歳をとれば肉体的にも精神的にも弱くなります。そして若いときのようにできなことだらけになります。ちゃんと自分の親や周りの人たちを観察していればそうなることは分かるはずなのに、気づかない人が多いのは、自分だけは大丈夫と思っているからなのでしょうか?そんなはずはないのにね。
生きている限り、手遅れはない
他人を力で抑え込もうとする人がいるのと同時に、自分自身を必要以上に卑下してしまう人も大勢います。人間としての尊厳を感じることなく生きてきてしまったのかなぁ。どんな人にも、それぞれの価値があるはずなのだけれど。
子どもの頃のクラスメートのことを思い出すと、みんなそれぞれに良いところがありました。いなくていい子なんていませんでした。
他人の良い面に気づくこと、自分の良い面に気づくこと、世界の良い面に気づくこと、それは全部同じことのはず。この本を読んでそう感じました。
2642冊目(今年341冊目)
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