『クモのアナンシ』 フィリップ・シャーロック 348
いろんな国のおはなしを読んできたけれど、ジャマイカのお話というのは初めてです。
アナンシは、ずるがしこいクモです。時々人間の姿になったりするし、自分よりも強いトラやワニを騙したりしながら、のらりくらりと生きています。
森で一番強いのはトラだから、トラのご機嫌取りをしたり、川にいるワニに食べられてしまわないように、自分はワニの親戚だと騙したりするんです。普段は畑仕事もするのだけど、コツコツ働くのが嫌な性分なので、どうやってサボろうか、どうやって他人の物を取ろうかと、ずるいことばかり考えているから、上手くいくこともあるけれど、失敗してひどい目に合うこともよくあります。
ジャマイカの子どもたちはアナンシのお話を聞いて育つのだそうです。悪者といっても、そんなに大したことをするわけでもなく、上手くだましたつもりでも、最後はバレてしまったり、こんな人いるなぁって感じで笑わせてくれます。ずるいわりに間抜けなところが「ねずみ男」っぽいなぁって思いました。
貧しくても、不真面目でも、それなりに生きて行けているアナンシの人気が高いのは、やっぱり暖かい土地柄なのかしら。
2649冊目(今年348冊目)
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