『バナナの魅力を100文字で伝えてください』 柿内尚文 351
人は、正しいかどうかではなく「伝わったこと」で判断する
誰かのことを勝手に「そうなんだ」と思っていたことが、実は違っていたということがあります。自分はちゃんと伝えたつもりなのに、全然違う伝わり方をしていることもあります。でも、その間違ったままの情報が訂正されないまま、ずっと信じられてしまうことが良くあるのです。
そもそも人は、人のことがわからない
50代になってからの同窓会の席で、中学校の時に学級委員だった男子が、番長だった男子に「あのころは怖くてさ、声を掛けられなかったんだよ」と言ったのです。そういわれた元番長は「お前は頭が良くていいなぁって思ってたんだよ」と返したんです。「なぁんだ、それだったらあの頃から、もっと仲良くしておけばよかったなぁ」って笑い合っていたのが、とても印象的でした。
お互いに見た目だけで判断して、距離を置いてしまっていたんです。随分時間はかかったけど、この2人はわかり合えて良かったなぁと思うんです。
逆に、ずっと仲良くしていても、知らないことがあって「えっ、言ってなかったっけ?」ということだってあります。
トラブルの多くが「伝えていない」から起きます
伝えていたつもりで伝えていなかったこと、伝えるのが嫌で伝えなかったこと、どちらにしても、正しく伝えていなかったからこそトラブルが起きるのです。
人は自分の理解できる範囲でしか理解しません
人それぞれに考えること、感じることが違います。自分の常識が他人の非常識であることが、本当によくあるんです。例えば、わたしにとって読書は日常だけど、普段本を読まない人にとっては非日常です。お酒が好きな人にとって「仕事帰りに一杯」は日常かもしれないけど、下戸のわたしにとっては非日常です。
相手にとってわかりやすいように、イヤな気持ちにさせないように伝える技術が必要なのです。
この本を読んで勉強することはもちろん役に立ちますけど、一番大事なのは相手に興味を持つということだと思います。そこをおざなりにしてしまっては「伝える」ことは無理です。
どれだけ納得してもらえるかが「伝える」ことの本質です。どこかの首相のように、「聞きっぱなし」「言いっぱなし」では納得できるわけがないのです。
#バナナの魅力を100文字で伝えてください誰でも身につく36の伝わる法則 #NetGalleyJP2652冊目(今年351冊目)
« 『奇跡の脳』 ジル・ボルト・テイラー 350 | トップページ | 『ミニシアターの六人』 小野寺史宣 352 »
「日本の作家 か行」カテゴリの記事
- 『講談えほん 曲垣平九郎 出世の石段』 神田伯山 石崎洋司 五十嵐大介 81(2023.03.23)
- 『続 ヒーローズ(株)!!! 』 北川恵海 53(2023.02.23)
- 『もうあかんわ日記』 岸田奈美 39(2023.02.09)
- 『ヒーローズ(株)!!!』 北川恵海 31(2023.02.01)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。』 滝沢秀一 69(2023.03.11)
- 『恋とそれとあと全部』 住野よる 71(2023.03.13)
- 『おにぎり猫のものがたり 第一巻』 ミケパンチ 56(2023.02.26)
コメント