『眠れなくなるほど面白い哲学の話』 中谷彰宏 5
こうすれば安心というのが道徳
もっと別のやり方が面白いと自由なのが哲学
哲学って難しいというイメージがありますけど、中谷さんは哲学とは、常識や決まり事を打ち破る考え方と捉えているのです。つまり自由を生み出すのが哲学なのです。
フランス革命の前の時代に、ジャン・ジャック・ルソーは「みんなと違うようにすることが教育である」と言いました。
戦後の日本教育は「みんなと同じようにすること」を目標にしました。
その結果として、マイノリティーでつらい思いをしたり、登校拒否になるのです。p150
違うということが素晴らしいのだという教育の根幹にあるのが哲学です。違いを知るためには考えることが必要なのです。それに対して「みんな同じ」という教育は、記憶することが中心で、考えることに重きを置いていません。他人と違うことを「素晴らしい」のではなく「困ったこと」と考えてしまうのは、こういう教育が原因なのですね。
雑誌の中でダイエットとスイーツが両方出ているのはすでに矛盾しています。
そこに、人間は矛盾した生き物であるということが表れています。
割り切れるものの中に、進化はありません。
人間は、安全を求めながらリスクも大好きです。
どちらも大好きだから、人間は進化するのです。p159
矛盾をいけないことだと考えがちですけど、人間って矛盾だらけなんですよね。そんな自分をイヤだと思うよりも、そういうもんなんだよと肯定することで進化できるのかしら?だとしたら、随分と生きるのが楽になりますね。
正解が見つからないのではなく、新しい正解を作っていく時代が来たのです。p7
自分はどこを目指したらいいんだろう?どうやって生きて行ったらいいんだろう?と悩む人が増えています。これまでの常識に囚われていると、どうしていいのかわからなことだらけです。でも今は、そんなことに囚われなくていい時代になったんです。新しい正解を見つけるために、哲学がきっと役に立つという中谷さんの言葉を信じてみようと思います。
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