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『ツナグ』 辻村深月 23

ツナグ

辻村深月(つじむら みづき)

新潮文庫

第32回(2010年)吉川英治文学新人賞受賞作

 亡くなってしまったあの人にもう一度会いたいという気持ち、それを実現できるという噂を聞いて、2人の間をつなぐ使者へ電話をかける人がいます。その電話がかかるかどうかも分からないし、使者に会えたとしても、亡くなった人が「会ってもいい」と言ってくれなければ会えないのです。

 突然死したアイドル、癌で逝った母、喧嘩したまま亡くなった親友、結婚の約束をしたのに失踪してしまった恋人、それぞれの会いたいという思いは違うけど、生きている間に聞きたかったこと、伝えられなかったことがあるのです。

 自分は相手のためにこんなことをしてきたという思いは、良くも悪くも自分の評価なのです。それを相手がどう思ってくれていたのか、そこが大事なことなのだと、あの人がこの世にいなくなってから気がつくなんて。

 素直じゃなかった自分、臆病だった自分、勝手なことを思い込んでいた自分、そんな自分を愛し、守ってくれた大事な人だから、もう一度会いたい、そして、ありがとうと言いたいのです。

 この5篇が収められています。

・アイドルの心得
・長男の心得
・親友の心得
・待ち人の心得
・使者の心得

 使者として働く歩美はまだ若いけど、きっと立派に勤めを果たしていくのでしょうね。大丈夫ですよ、あのおばあさまが、あなたに託したのですから。

2685冊目(今年23冊目)

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