『木挽町のあだ討ち』 永井紗耶子 17
「ああ…あの仇討ちを見たかって。ええ、見ましたよ。」
木挽町の芝居小屋のそばであだ討ちを成し遂げた若者は評判になりました。
それから2年後、そのかたき討ちの話を調べに来たひとりの侍がおりました。様々な人にその時の話を聞いたのです。木戸芸者、殺陣師、衣装係、小道具職人、芝居の筋書師、それぞれが口々に「見事なあだ討ち」だったと語ります。そして、自分がどうしてこの仕事をするようになったのかを話し始めるのです。
今はそれなりなポジションで仕事をしている彼らの生い立ちは、恵まれていた者もいれば、どうしようもない親に捨てられたという者もおりました。でも、彼らは仕事に誇りを持って生きているのです。そして、かたき討ちにやってきた見ず知らずの若者を助けてくれていたのです。
なるほどねぇ、みんなのおかげで住むところも、仕事も世話してもらって、剣の修行もしていたんだねぇ。みんなの愛があったから、あだ討ちができたんだねぇ。みんなつらい過去があったからこそ、若者を親身になって助けてくれたんだね。
という話だと思っていたら、それだけじゃなかったんだねぇ。最後に明かされた秘密には泣かされちゃいましたよ。ありがとう、木挽町のみなさん。
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