『よあけ』 ユリ―・シュルヴェット 2
おじいさんとまごが もうふでねている。
森の中の木の下でおじいさんとまごが、毛布を掛けて寝ています。
ふたりはここへ何をしに来たのでしょうか?
鳥が鳴く声、カエルが水に飛び込む音、もうすぐ夜が明けそうです。
空の青と森の緑が時間とともに鮮やかな色になっていきます。
ユリーは、1935年ポーランドのワルシャワ生まれです。4歳の時に第二次世界大戦が開戦し、 ユダヤ人だった彼の家族は祖国を脱出して各地を転々として育ちました。1959年アメリカに渡り、2年間ブルックリンの絵画学校で学ぶようになりました。東洋の文芸・美術にも造詣が深く、この「よあけ」のモチーフは、唐の詩人宗元の詩「漁翁」によっています。
こんな厳しい幼少期を過ごしたユリ―にとって、おだやかな心で過ごす時間は何よりも大事なことだったのでしょう。
今も戦争が行われているところがあります。そんなことよりも、大事なことが沢山あるのに。すべての人がおだやかな気持ちで暮らせる日はいつになったらやってくるのでしょうか。
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