『楽器たちの図書館』 金重赫 15
表紙の絵が気に入って読んでみたこの本は、楽器、あるいは音楽にまつわる8編が収められている短編集です。
10年ほど前に韓国で書かれた作品ですが、不思議なほど外国という感覚がないのです。登場する若者たちはみな近所にいそうな感じだし、わたしたちがあの年頃だった頃と同じようなことをしているのです。
「ビニール狂時代」でLPレコードの山の中から面白そうなものを必死に探している様や、「拍子っぱずれのD」の合唱のエピソードなんて、わたしの学生時代を見ていたのかと思うほどなのです。
中古レコード店で、まだ日本版が発売されていない輸入盤のLPを探していた頃のことを思い出しました。
「無方向バス」のお母さんは、本当にあのバスに乗っていってしまったのかしら?その先のストーリーを自分なりに考えているうちに、日が暮れてきました。
・自動ピアノ
・マニュアルジェネレーション
・ビニール狂時代
・楽器たちの図書館
・ガラスの盾
・僕とB
・無方向バス
・拍子っぱずれのD
2677冊目(今年15冊目)
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