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『丘の上の賢人 旅屋おかえり』 原田マハ 11

丘の上の賢人 旅屋おかえり

原田マハ(はらだ まは)

集英社文庫

 この本には、「旅屋おかえり」未収録の「丘の上の賢人」と、北海道のおいしいものエッセイと、おかえりさんの高校時代を描いた漫画が収められています。

 

 ビートルズの「Fool on the Hill」が大好きだった恋人と悲しい別れをした女性から、彼の消息を確かめて来て欲しいという依頼を受けて、おかえりさんは悩みます。自分自身、故郷の礼文島へずっと帰ることができなくて、たとえ仕事であっても北海道へは行かないと決めていたのです。なのに、彼女の依頼は札幌と小樽への旅なのです。

 

 エッセイでは、北海道で乳製品がいかにおいしいかが語られているのですが、札幌の「大通ビッセ」という一生分の乳製品が食べられるというスポットのすばらしさと、帯広の「六花亭」へのマハさんの愛が詰まっていました。

 以前わたしは、帯広の六花亭の工場見学へ行ったことがあって、その時のことを思い出して、オオ~となりました。また行きたいなぁ!

 

 おかえりさんが最後に言っていた、「ふるさとっていうのは、生まれ育った場所だけじゃなく、『おかえり』って言ってくれる人がいるところ」という言葉がステキだなぁと思いました。

 そうだなぁ、いろんなところに「ふるさと」があるんだなぁ、久し振りに会いたい人のこととか、行ってみたい場所のことを思い出しました。

2673冊目(今年11冊目)

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