『栞と嘘の季節』 米澤穂信 30
高校2年の図書委員、堀川次郎と松倉詩門。彼らが図書館のカウンター担当の日、返却本をチェックして見つけたのは押し花が封じ込められた一枚の栞。その花が気になって調べてみたら猛毒で有名なトリカブトだったのです。
その栞を誰が本に挟んだままにしてしまったのか、とりあえず忘れ物がありましたと壁に張り紙をして、誰が取りに来るのかを楽しみに待っていたのですが、なぜか張り紙がなくなってしまっていて、そこから謎解きが始まります。
トリカブトには毒があるということは知っていても、それがどんな花なのかなんてほとんどの人が知りません。だから、自分たちが通う学校の花壇にトリカブトの花が咲いていた写真を見て2人はドキッとしてしまったんです。
そして、トリカブトの花の栞は1枚ではなかったことがわかって、謎は深まります。
ふたりは、高校生になってからの友人なので、それ以前のことは知らないし、お互いの家族のことも全く知りません。仲がいいようでいて秘密の部分もあって、ある意味「油断も隙もない奴」同士です。
でも、なぜか気が合うふたりの会話は、とてもシニカルで面白いのです。
「本と鍵の季節」は短編集でしたけど、今回は長編、この2人のコンビはどこまで続いていくのかしら。
2692冊目(今年30冊目)
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