『私がオバさんになったよ』 ジェーン・スー 4
8人の方(光浦靖子、山内マリコ、中野信子、田中俊之、海野つなみ、宇多丸、酒井順子、能町みね子)との対談集です。
(お笑いの世界は)たしかに男性社会ですね。女性ディレクターいないしね。ゼロに近いですね。情報番組で多少いますけど、バラエティ番組で女性は作家もディレクターもほとんどいないです。(光浦靖子)
数年前、若い女性が地方から減ると町が消滅するというデータが危機感を煽っていたんです。子供を産む人がいなくなると発信することによって、「若い女を田舎から出すな」っていうムードが、田舎には簡単に生じえる。(山内マリコ)
私はフランスに3年留学して帰国した時電車に乗ったら、女の子がみんな同じ顔してて恐ろしくなった。この国はこうなのかと愕然としたよ。みんなと同じでないと排除される恐ろしい国。(中野信子)
日本では90年代後半から2010年代前半まで14年連続毎年3万人が自殺しました。内訳をみると、女性が1万人に乗った年は一度もない。常に男性が2万人以上亡くなっています。(田中俊之)
制度はゆるくした方が、人々は番いますよね。席を入れるかゼロか、婚外子はダメ、みたいな雰囲気だから少子化も進む。結婚制度の外側のもやっとしたところで漂うカップルがいてもいいし、気軽に同棲して子供を産めたら若い人も楽になるだろうなと思います。(酒井順子)
日本って女性が生きづらい場所だなぁって思っていたら、実は男性にとっても生きづらい場所なんですね。男はかくあらねばという固定観念のせいで、自分に否定感を持つ男性が多いからこそ、自殺者も増えるし、DVや男尊女卑がなくならないというのは、もっと真剣に考えなければならない問題です。
政府や自治体がやっている少子化対策って、基本的なところを変えずに小手先のことばっかり。そもそも対策って考えるのが間違いで、「何故、少子化になってしまったのか」の原因を無くすことが大事だと思うんだけど。
いろんなことを考えなくなってしまった人が増えたのは、考えたってしょうがないという諦めを感じる人が増えたのか?考えないようにする教育を推し進めてきた結果なのか?いずれにせよ、ジェーン・スーさんのようにちゃんと考えて、ダメなことはダメだよって言える人が増えないと日本は益々ダメな国になっていきそうな気がします。
2666冊目(今年4冊目)
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