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『ツナグ 想い人の心得』 辻村深月 26

ツナグ 想い人の心得

辻村深月(つじむら みづき)

新潮文庫

顔も知らない父親に、事故死した幼い娘に、片思いしていたあの人に、もしも会えるなら。一生に一度だけの死者との再会を叶える使者「ツナグ」。長年に亘って務めを果たした最愛の祖母から歩美は使者としての役目を引き継いだ。7年経ち、会社員として働きながら依頼を受ける彼の元に、亡き人との面会を望む人々が訪れる。依頼者たちは、誰にも言えぬ想いを胸に秘めていて(書籍紹介 より)

 歩美は、使者(ツナグ)の務めをおばあさまから引き継ぎ、7年の時が過ぎました。会社員をしながら、亡き人との面会を望む人たちからの依頼を受けています。

 亡くなった方との面会は、いつも夜。少しでも長い時間を取りたいので満月の夜に行われます。最初は半信半疑でやってきた人たちも、面会した後は、どこかスッキリした顔で帰っていくのです。

 事故死してしまった娘、顔も知らない父親、遠い昔の人、片思いしていたあの人、会ったことがある人も、ない人も、あちらがOKしてくれれば会えるのです。逆に、いくら会いたいと言っても、あちらから断られてしまうこともあるのです。それが運命だとおばあさまはおっしゃっていました。

 

 この5篇が収められています。

・プロポーズの心得
・歴史研究の心得
・母の心得
・一人娘の心得
・思い人の心得

 生きている間に言えなかったことがある人が、こんなにも多いからこそ、使者への依頼は絶えないのです。今元気な人でも、明日も生きているという保証はないのです。いつ、何が起きるかなんて誰にも分らないのですから。だから、何か伝えたいことがあったら、「あとで」なんて思ってはいけないのですね。

2688冊目(今年26冊目)

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