『吹雪の中の列車』 マト・ロヴラック 22
4年生になって、子ども連盟の議長選挙に立候補したペーロは自分に投票して欲しくて、同級生たちにお菓子などのワイロを渡すような奴なんです。でも、みんなちゃんとわかってるから、もらうものだけもらって投票はしません。結局は人望の厚いリューバンが議長になるんですけど、家が貧しい彼のことをペーロは何かというとバカにするのです。
子ども連盟は列車に乗って日帰りの旅行に出かけたのですが、帰りにとんでもない猛吹雪にあってしまって列車が立ち往生してしまったのです。リューバンは列車が動けるように、みんなで手伝おうと頑張るのですが、雪に埋もれてしまった機関車はなかなか動きません。
そんな状況でも、ペーロは手伝わないだけじゃなく、邪魔までしてくるんです。
親がお金持ちだから自分は偉いんだと勘違いしているペーロみたいな愚か者って、どこにもいるんですねぇ。自分が嘘つきで嫌な奴だってクラスメートから思われているのに、そんなことはお構いなしに威張り散らしているのって、悲しいです。
家は貧しいけれど、みんなのことをきちんと考えられるリーダーの資質を持ったリューバンは、スタンド・バイ・ミーのクリスみたいな子なんだろうなぁって感じました。
この物語は小学校の教科書にも載っていて、クロアチア人ならみんな知っている物語なのだそうです。
サッカー・ワールドカップで粘り強さを見せたクロアチアの強さの一端を感じさせてくれる物語でした。
2684冊目(今年22冊目)
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