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『ジュリーの世界』 増山実 48

ジュリーの世界

増山実

ポプラ社

第10回(2022年)京都本大賞受賞作

 新人巡査の木戸は、河原町の交番で働くことになりました。この町には有名なホームレスの男がいて「河原町のジュリー」と呼ばれていたのです。彼はいつも目抜き通りの真ん中を堂々と歩いていて、何か話しかける人がいても、まるで返事などしないのです。

 木戸は先輩の山崎さんに様々なことを教わりました。この町でどんなことが起きるのか、どんな人たちがやってくるのか、そして「河原町のジュリー」には様々な伝説があるということを。

 

 話の中で登場した沢田研二主演の「太陽を盗んだ男」は、話題にはなったけど当時の興行成績は余り良くなかったんですよね。だからロードショー公開からあまり時間が経っていない時点で木戸は二本立ての映画館でこの映画を見ることができたんですよね。でも、その後の評価はかなり高くなっています。主人公の「城戸」という名字から、この物語の主人公は「木戸」になったのでしょうか?

 

 「河原町のジュリー」は、どうして路上での生活を選んだのかはわかりません。みんな勝手な想像で彼のストーリーを作っているけれど、それくらい彼には何かありそうな雰囲気が漂っていたのでしょうね。

 

プロローグ
第一話 花の首飾り
第二話 坂の向こう
第三話 夜の猫たち
第四話 鳥の名前
第五話 熱い胸さわぎ
第六話 ジュリーと百恵
第七話 黒と白の季節
第八話 四十年後
第九話 真珠貝
第十話 再会
エピローグ

 

 「花の首飾り」というタイトルにジュリーへのオマージュを感じます。遠くの町での出来事なのに、なぜか身近なことに感じられたのは、同じ時代に生きた人間だからなのでしょうか。

2710冊目(今年48冊目)

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