『タクジョ! みんなのみち』 小野寺史宜 89
今回は夏子さんの同僚の人たちのお話がメインです。東央タクシーのドライバーになって4年目、どの人も夏子さんのことをスゴイ人だと認めてるのは、彼女が確実に成長しているからですね。
タクシーに乗るお客さんって、ホントにいろいろな人がいます。好き勝手なことをしゃべっている人もいるし、市場調査という感覚でドライバーの話を聞きたがる人もいます。そして、終始無言という人もいます。お客さんにどこまで合わせるのかも考えなくてはいけないし、必要以上に自分の個人情報は出さないようにしなければいけないし、それに、イヤなことを言う人もいますからね。だから、身体が疲れる以上に神経が疲れる仕事なんです。
タクシー会社にはドライバー以外に、総務や人事の人もいます。ドライバーが働きやすいように、そして、ドライバーという仕事を世の中に知ってもらうために一生懸命に働く人もいて、タクシーの営業ができているのですね。
今回もいろいろと勉強になるお仕事小説でした。シリーズは更に続きそうな予感です。
・四月二十四日の御徒町 姫野民哉
姫野さんはイケメンで人気俳優の鷲見翔平に似てるって言われます。彼が主演した「キノカ」と「渚のサンドバッグ」(どちらも原作は横尾成吾)の話が出てきます。
・五月二十五日の田町 桐島菜由
夏子さんと同期の桐島さん、自分はドライバーに向いてないのかもって思い始めています。
・六月十六日の大井町 永江哲巳
採用課の永江さんは、新人採用のための説明会で、夏子に話をしてもらいたいと思っています。
・七月二十七日の大通公園 川奈水音
水音さんは、夏子さんたちの先輩です。今は再婚して札幌で暮らすようになり、道央タクシーでドライバーをしています。
・八月二十八日の金町 道上剛造
道上さんは、いかつくて無口だから、会社内のみんなから怖い人だと思われています。そんな彼がタクシードライバーになったのは、昔一緒に暮らしていた女性の一言がきっかけだったのです。
・九月の南砂町 高間夏子
実家を出てひとり暮らしをするようになった夏子さんですけど、時々実家によってお母さんとお酒を飲むのが楽しみなんです。
2751冊目(今年89冊目)
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