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『危機の読書』 佐藤優 78

危機の読書

佐藤優(さとう まさる)

小学館新書

 今の世の中って、これまでの常識がひっくり返ることの連続で、これぞ「混沌」という状況なのではと思うのです。そんな今を生き抜くには何が必要なのかと思い、この本を手にしたのですが、読めば読むほどわからなくなるのです。

 

GDPを増大させずに人々の生活水準を向上させることは、資本主義の枠内でも十分可能だ。カーシェアリングやメルカリのようなサイトでリサイクル品を利用してもGDPは増大しない。しかし、人々の効用を満たすことはできる。
しかし、このようなシェアリングエコノミーが資本主義システムの主流になることはない。なぜなら資本主義というシステムの文法が、労働力を商品化し、利潤の最大化を追求していくことだからだ。資本の価値増殖に貢献しないシェアリングエコノミーは、資本主義の文法に反するので、経済活動のごく一部の領域を占めることしかできないのである。p230

 GDPという目に見える評価しか認めないのが資本主義であるとしたら、そんな資本主義などもういらないと思う。シェアリングでも、物々交換でも、人々の暮らしが上手く回っていくなら、それでいいじゃないか!

 タダ、もしくは少額しかお金が動かなくなると、税金が取れないんだよね。だから政府が困るってことなの?

 一生懸命に補助金を配りまくって、お金を使ってくださいという働きかけばかりしてGDPを増やすことしか考えていない政府の言うことなんか聞きたくない。

 

・まえがき「時代の危機を認識するためには、読書に裏付けられた学知の力が不可欠なのである」
・内村鑑三『代表的日本人』
・ヨゼフ・ルクル・フロマートカ『なぜ私は生きているか』
・宮本顕治「鉄の規律によって武装せよ!」
・アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』
・手嶋龍一『鳴かずのカッコウ』
・斎藤幸平『人新世の「資本論」』

 こういう本が紹介されていたけど、読みたいなと思ったのは「鳴かずのカッコウ」だけでした。公安調査庁ってどんなところか?この本で勉強してみようかと思います。

2740冊目(今年78冊目)

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