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    (by 本田宗一郎)

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『別れの色彩』 ベルンハルト・シュリンク 113

別れの色彩
Adschiedsfarben

ベルンハルト・シュリンク
Bernhard Schlink

松永美穂(なつなが みほ)訳

新潮クレスト・ブックス

ドイツ

 夏になって子どもの頃の夏休みのことを思い出したり、家族の死をきっかけに昔のことを思い出したりして、誰かに会いたくなることがあります。若いころはそんなことを考えもしなかったけど、今だからこそあの人に自分の気持ちを伝えておかなければならないという気持ちになるというのは、老いゆえなのでしょうか。

 今思えば、何であんなことをしてしまったんだろうということもあるし、なぜ恋人が離れて行ってしまったのかわからない、ということもあるでしょう。今更何をすればいいのか?と思いつつも、何かしなければならないという焦りにも似た気持ちが湧いてきた時、それを止めることができないのです。

 思い出の地へ足を運んで、そこが同じ景色であったとしても、もうあの時とは違うのです。思い出の中では広い道だったのが、今歩いてみれば細い路地であったりするのです。美しかった人も歳を取り、優しかったあの人はもういないのです。

 歳をとるのは仕方のないこと、でもそれに抵抗しようとするのが人間なのです。あの頃と同じようにさっそうと歩くことはできないのです。でも歩いていきたいのです。思い出の場所へ。

この9編が収められています。

・人工知能
・アンナとのピクニック
・姉弟の音楽
・ペンダント
・愛娘
・島で過ごした夏
・ダニエル、マイ・ブラザー
・老いたるがゆえのシミ
・記念日

2775冊目(今年113冊目)

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