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『牧野富太郎と、山』 牧野富太郎 118

牧野富太郎と、山

牧野富太郎(まきの とみたろう)

ヤマケイ文庫

私は植物の愛人としてこの世に生まれ来たように感じます。あるいは草木の精かもしれんと自分で自分を疑います。ハハハハ。私は飯よりも女よりも好きなのは植物ですが、しかしその好きになった同期というモノは実のところそこに何にもありません。つまり生まれながらに好きであったのです。(本文より)

 牧野富太郎氏は、ご自身がそうおっしゃる通り、とにかく植物が大好きなのです。そのために山に登るのは当り前。自分が見たことがない植物があると聞けば、どこへでも出かけるのが当たり前。筋金入りの植物オタクなのです。

 その行動力にも驚かされます。初めて東京へ行った時には、勧業博覧会を見学し、更に植物園を見学しています。普通の人ならこれでおなか一杯だと思うのですが、それで終わらないのです。

 せっかくだから日光まで足を延ばし、植物採集をしています。高知県佐川への帰路にも植物採集をしています。その結果、荷物が多くなり過ぎて大変だったと記されています。一緒に行ったお供の人たちは、さぞかし大変だったでしょう。

 この本を読んでいて感じるのは、植物が好きで好きでたまらないという感覚です。ですから、その思いの丈を話してもわかってくれる人はなかなかいなかったのでしょう。それだけに、彼の理解者が現れた時には、きっと熱く熱く語りあったのでしょう。

 植物採集が好き、絵を描くのも好き、文献を読むために英語やラテン語の勉強をするのも好き、こんな凄い方が日本の植物学の礎を築いたのです。彼を超える人は今後も現れそうにないなぁ。

2780冊目(今年118冊目)

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