『寝煙草の危険』 マリアーナ・エンリケス 139
寝煙草の危険
Los Peligros de fumar en la cama
マリアーナ・エンリケス
Mariana Enríquez
宮﨑真紀(みやざき まき) 訳
国書刊行会
NetGalleyJP
アルゼンチン
2021年度国際ブッカー賞最終候補作
アルゼンチンをイメージするとき、ラテン系の明るい人達がいるところと思いがちだけど、実はそれだけじゃない。インフレ、貧困、戦争の傷跡、宗教、決して明るくない生活を送っている人が大勢いる。
身近な人が行方不明になっていたり、死んでしまったりしていることが多いから、死との距離が意外と近いのかもしれない。貧しい生活の中で、人生を諦めてしまい、生きているのか死んでいるのか分からないような人もいる。
精神を病む人もいる。家族と一緒に暮らしていても孤独な人もいる。
その物語がホラーのように思えても、それは彼らにとっては現実なのかもしれない。
・ちっちゃな天使を掘り返す
・遊水地の聖母
・ショッピングカート
・井戸
・悲しみのランブラ通り
・展望塔
・どこにあるの、心臓
・肉
・誕生会でも洗礼式でもなく
・戻ってきた子供たち
・寝煙草の危険
・わたしたちが死者と話していたとき
「わたしたちが死者と話していたとき」に出てきたウィジャボード(降霊術)って、なんだか「こっくりさん」に似てるなぁ。女の子の好きなものは、場所も時代も超えているのかもしれない。
アルゼンチン出身のアミーゴ・アンドレスが言っていた言葉を思い出した。「アルゼンチンでは生きて行くのに十分なだけのお金を稼げる仕事がない。だから外国へ働きに行く。そこでだってどれだけ稼げるかはわからないけど、アルゼンチンにとどまるよりはマシなのさ。」
#寝煙草の危険 #NetGalleyJP
2801冊目(今年139冊目)
« 『世界一やばい西洋絵画の見方入門』 山田五郎 138 | トップページ | 『一年一組 せんせいあのね』 鹿島和夫 ヨシタケシンスケ 140 »
「海外 小説」カテゴリの記事
- 『ブラック・ボーイ 下』 リチャード・ライト 24-303-3329(2024.10.24)
- 『ブラック・ボーイ 上』 リチャード・ライト 24-297-3323 (2024.10.18)
- 『他人の家』 ソン・ウォンピョン 24-272-3298(2024.09.23)
- 『雨の島』 呉明益 24-239-3265(2024.08.21)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『朝読みのライスおばさん』 長江優子 みずうちさとみ 24-336-3362(2024.11.26)
- 『がいとうのひっこし』 山田彩央里 、山田和明 24-318-3344(2024.11.08)
- 『さよならの向う側 ’90s』 清水晴木 24-330-3356(2024.11.20)
- 『人魚が逃げた』 青山美智子 24-324-3350(2024.11.14)
「文学賞」カテゴリの記事
- 『ラブカは静かに弓を持つ』 安壇美緒 24-169(2024.06.13)
- 『赤と青とエスキース』 青山美智子 24-163(2024.06.07)
- 『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ 24-121(2024.04.26)
- 『不便なコンビニ』 キム・ホヨン 24-102(2024.04.07)
- 『八月の御所グラウンド』 万城目学 24-105(2024.04.10)
« 『世界一やばい西洋絵画の見方入門』 山田五郎 138 | トップページ | 『一年一組 せんせいあのね』 鹿島和夫 ヨシタケシンスケ 140 »
コメント