『ピーことば』 ピーコ 125
最近、ピーコさんが介護施設に入所したというニュースを目にして、78歳になっていたんだなって気がついたのです。辛口トークのゲイの双子ということで「おすぎとピーコ」が話題になったころ、相当ひどいことを言われていたんですね。あのころはLGBTQなんて、誰も考えてなかったものね。
ピーコさんはわたしの先輩(文化服装学院)なのです。あの学校にはピーコさんみたいな人が大勢いたし、わたしは2人のことを世間の人が言うほど変な人たちとは思っていませんでした。
この本はピーコさんが68歳の時の対談とエッセイをまとめたものです。
吉行和子さんとピーコさんは大の仲良し、2人とも本を読むのが大好きです。吉行さんのお母さま、あぐりさんも90歳を超しても本を読んでいて、常に好奇心があるということが長生きの秘訣なのかも、なんて話をしています。
「私がピーコを好きな一番の理由は、思ったことを正直に、装飾しないでストレートに言ってくれるからなの。ある程度キャリアを積んでくると、上の先輩がいなくなって、芝居のことに関しても単刀直入に「あそこは面白くなかった」とか「あそこは何を言っているのかわからなかった」なんていうことを、ぶつけてくれる人がいなくなるんです。それは寂しいことよ。でも、ピーコはきちんと言ってくれる。素直な会話を素早くキャッチボールができるのが楽しいの。
こんな風に奈良岡朋子さんは、ピーコさんを評価しています。幾つになっても自分をキチンと見ていて、意見してくれる人がいることが大事だとおっしゃっています。イエスマンばかり集めて喜んでいる、どこかのジーサンたちとは大違いですね。
マツコ・デラックスに対しては、後輩に対する愛のようなものを感じます。自分たちの頃ほどではないにしても、ゲイというだけでバッシングしてくる人がいるけれど、そんなものは気にしないで、自分が正しいと思ったことを言っていきなさいね、って。
歳を重ねてステキな人になっていけばいいのに、無理して若作りばっかりしている「オバさん」にならないように、というピーコさんの言葉を忘れずに生きて行こうと思います。
2787冊目(今年125冊目)
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