『もうひとつのモンテレッジォの物語』 内田洋子 182
この本は、前から読むと内田洋子さんがモンテレッジォの人たちとの交流がたくさんの写真で綴られるエッセイ「もうひとつのモンテジッジォ物語」、後ろから読むと、モンテレッジォの子どもたちが村の歴史を調べて作った「かごのなかの本 本屋の村の物語」という絵本になっています。
モンテレッジォの村の景色、人々、建物など、実に美しい写真ばかりで、行ってみたいなぁ!そして、内田さんの本がきっかけとなって日本にやってきたモンテレッジォの人達のお話も面白いのです。彼らが自分たちで予約を取ったという宿が、単に東京の真ん中がいいということで選んだだけなのに、なんと神保町だっという奇跡のようなめぐりあわせにビックリ!
「かごのなかの本」の方は、きっと様々な文献を調べて描いたであろう子どもたちの絵が、とてもカラフルで楽しいのです。「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」の中で語られていた歴史が、とても分かりやすく描かれていて、さすが本屋の村の子孫たちだなと感心してしまいました。
モンテレッジォ出身の人たちがイタリアのあちらこちらで本屋さんになったという地図を見ると、こんな小さな村からこんなにも多くの書店が生まれたということにただただ驚くばかりです。本を詰め込んだかごを背負って、イタリア全土へ行商していた、この村の凄さが伝わってきました。
こうやって自分たちの村の歴史を学んだ子どもたちは、次の時代に何を運んでいくのでしょうか。
2844冊目(今年182冊目)
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