『図書館内乱 図書館戦争シリーズ②』 有川浩 204
先日読んだ「レインツリーの国」がこの本の中でどう取り上げられてたのかな?と気になって再読しました。
主人公の郁は、不器用にもほどがある人間だけど、それこそが彼女の個性であり、みんなから愛される由縁なのだと思います。頭のいい柴崎のような人は、確かに一般的な受けはいいけれど、本音と建前のギャップがありすぎて、自分の中で苦しくなってしまうのでしょう。だからこそ、郁のような無垢な魂の存在が、とてつもなく嬉しいのだと思うのです。
毬江さんという耳の不自由な高校生へ、聴覚障害のある主人公が登場する「レインツリーの国」という本を図書館員が薦めたことが問題になってしまった「恋の障害」は、真の意味での自由とは何かを問う、なかなか深い話だと思いました。その後の話にも毬江さんが登場してきて、彼女ように障害を持った人が周りの人とコミュニケーションをとることの難しさを知りました。
だからこそ、この本が書かれた時点ではまだ存在していなかった「レインツリーの国」を有川さんは書きたかったという気持ちが理解できたような気がします。
この6篇が収められています。
1. 両親攪乱作戦
2. 恋の障害
3. 美女の微笑み
4. 兄と弟
5. 図書館の明日はどっちだ
・ロマンシング・エイジ
本を自由に読めるということは、とても幸せなことなのです。当り前だと思っていることができなくなったとき、初めて人はその不幸に気づくのです。でも、それでは遅いのです。大事な権利や考え方を失わないように、わたしたちも郁のように戦い続けなければ
2866冊目(今年204冊目)
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