『ビオレタ』 寺地はるな 199
ビオレタ
妙さんは道端で泣き崩れていました。婚約者から突然「別れよう」と言われて、訳がかわからなくなっていたのです。そんな彼女を拾ってくれたのが菫さんでした。そして、妙さんは菫さんの雑貨屋「ビオレタ」で働くことになりました。
ビオレタは雑貨も売っていますけど、一番大事な商品は「棺桶」です。誰かが大事にしていて捨てるには忍びないけれど手放したいものを入れる「棺桶」という箱を菫さんは作っています。中に入れるのは思い出の品物だったり、写真だったり、時には「思い出」だったりもします。庭で摘んだ花とともに、ビオレタの横の庭に埋葬するのです。
妙さんは菫さんのマイペースな行動にドキドキしながらも、時間とともに、この人は悪い人じゃないということがわかって来ました。
「余白」は大切
菫さんに言われたこの言葉に、妙さんは心を動かされます。自分に足りないのは、これかな?と思えたのです。
夢の種
真樹さんは、ビオレタという店のことを聞いて心が動いています。自分が手放したいものについて考え始めました。
妙さんがどうして、こんな状況になったのか?物語が進む中で少しずつわかって来るのですが、「夢の中」での真樹さんとの会話で、その秘密が明かされたような気がします。そうか、別れた夫だけの問題じゃなかったんだなってね。
でもね、妙さんは無理して変わる必要はないんですよ。そのままでいいって言ってくれる人もいるんだし。彼女のおかげで助けられた人もいたし。ひとりで悩んでいてもわからなかったことが、誰かと関わることでわかるようになるのが不思議で、大事なことですね。
2861冊目(今年199冊目)
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