『サエズリ図書館のワルツさん 2』 紅玉いづき 192
文庫化に当たって、単行本に収められた内容に2篇(第五話と第六話)が追加されています。
ほとんどの人にとって電子書籍しか触れることができなくなった時代に、紙でできた「本」を集めたサエズリ図書館は、特別な存在です。実態としての本に触れること、ページをめくる手触り、紙とインクの匂い、装丁が醸し出す雰囲気、それを知ってしまった人は、この図書館を度々訪れます。
もしも破損してしまったとしても、この図書館はその人を責めたりはしません。形あるものは壊れることがある、壊れたら直せばいいというスタンスなのです。チドリさんは、本の修復に興味を持ちます。サトミさんは、図書館で働く時間を愛しています。
そしてタンゴくんは、本を読まないけれど、ワルツさんがいるこの図書館を守ることに命を懸けています。
この図書館で働く人たちは、それぞれの人生がこれからどうなっていくかはわからないけれど、この図書館で過ごす時間が貴重なものだと感じながら生きています。
この図書館が、いつまでもこの町で生き続けていきますように。
第一話 サエズリ図書館のチドリさん
第二話 サエズリ図書館のチドリさん Ⅱ
第三話 サエズリ図書館のチドリさん Ⅲ
第四話 サエズリ図書館のサトミさん
第五話 電子図書館のヒビキさん
第六話 サエズリ図書館のタンゴくん
2854冊目(今年192冊目)
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