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『カゲロボ』 木皿泉 214

カゲロボ

木皿泉(きざら いずみ)

新潮文庫

 いじめや虐待が一向に減らないから、人間そっくりなロボット「カゲロボ」を使って調べようとしていると、小学校で噂になっているんです。「もしかしたら、あの子はカゲロボかも?」「そういえば時々動きがぎこちないよね」なんて言われてしまう子がいたりして、そういうのだってホントはいじめじゃないの?って思うんだけど。

 「はだ」「あし」「めぇ」「こえ」「ゆび」「かお」「あせ」「かげ」「きず」の9編の短編が収められているのですが、前半で登場した小学生が、後半で大人になって登場してきた作品がいくつかありました。自分が小学生のときのことを思い起こして、自分の子どもと向かい合うことができる人になっていてよかったと思うのです。

 様々な話の中で「かお」がとても気になりました。離婚するときに、子どもが1人しかいないから、その子とそっくりなロボットを作ってひとりずつ引き取ることにしたという夫婦の話なのですが、子どもとカゲロボが出会って話をするうちに意気投合していくのに、親の方はそんなことは無視して次のアクションに出てしまう。こういう食い違いって、一生心に傷が残るよなぁって思ったのです。

 ペットのカゲロボ(かげ)もいるというのは、これは近い将来に実現しそうで怖い気もします。

 これからの時代、ロボットが生活の中に様々な形で入り込んできて、人間よりロボットの方が楽でいいという世の中になっていくのかなぁ?

2876冊目(今年214冊目)

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