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『ナイアガラの女王』 クリス・ヴァン・オールスバーグ 240

ナイアガラの女王

クリス・ヴァン・オールスバーグ
Chris Van Allsburg

江國香織(えくに かおり) 訳

河出書房新社

米国

 ナイアガラの滝下りを初めて成功させたのはアニー・エドソン・テイラーという63歳の女性だったのです。滝下り用の特別に頑丈な樽を設計し、自らこの冒険をしたのには、理由がありました。

 彼女はダンスや礼儀作法を教える教師だったのですが、未亡人で60歳を超え、ちゃんとした養老院に入るお金もないし、 老後に不安を抱えていたのです。そこで思い立ったのが、ナイアガラの滝下りで有名になり、講演活動などで生計を立てようということだったのです。

 

 ナイアガラの滝を下って、生還したのは8組しかいません。しかも女性は彼女だけだし、何と言っても最初(1901年)に成し遂げた人なのです。でも、期待したほど人気は出ませんでした。彼女がもっと若かったらよかったのかもしれません。講演会で樽と一緒に登場しても、こんな年寄りが?と首をひねられてしまったのです。たしかに、100年前の63歳は立派なおばあちゃんです。今だったらSNSなどで人気者になったのでしょうけど。

 滝下りの後20年生きたアニーさん、紆余曲折がいろいろあっただろうけど、それを楽しめたのかなぁ?

 

 この話に興味を持ったオールズバーグがこの絵本を作りました。モノクロの絵が100年前の雰囲気を上手く醸し出しているように感じました。

 凄いことを成し遂げたのに、残念な結末になってしまったアニーさんのことを、わたしは初めて知りました。ナイアガラの滝へは一度行ったことがあります。それはそれは大きな滝で、あんなところを樽に乗って下るなんて、なんて凄いことをしたのでしょう!

 わたしは黄色いレインコートを着て滝の裏側を見るツアーに参加したのですが、それは映画「ナイアガラ」でこの風景を見たのがきっかけでした。マリリン・モンローが歩いた道を、わたしも歩いてみたかったのです。

 ナイアガラの滝は毎年数センチずつ後退しているというのですが、あの風景がいつまでも残ることを祈っています。

2902冊目(今年240冊目)

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