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    (by 本田宗一郎)

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『夜の側に立つ』 小野寺史宜 218

夜の側に立つ

小野寺史宜(おのでら ふみのり)

新潮文庫

 5人は高校三年生の時にバンドを組んでいたメンバー。40歳になって、みんなで小旅行へ行った。その夜、酔っぱらっていたのに壮介は了治とボートに乗りに行った。ボートは転覆し、了治は助かったが壮介は死んでしまった。

 その事故のことを了治はずっと悩み続けている。もし、ボートに乗ることを断っていれば、もし、死んだのが自分だったら、でも壮介は帰ってこない。

 了治にはいい友達がいて、家族も仲がいいし、大学も第二希望に入れたし、まぁまぁな人生を送っているのだけど、でも、ずっとコンプレックスを感じながら生きてきた。だから、すてきな女の子に告白されても断ってしまったり、自分なんて大したことないんだと思い続けている。

 

 了治のような思いを抱えた人は、世の中にはきっと大勢いるんだろうな。そんなに自分を卑下することないのに、自己評価が不必要に低いのって何故なんだろう?できのいい兄と比較してきたから?カッコいい友達と比較して?そんな必要ないのにね。

 人間の悩みって、他人からみたら「どこが?」ってことがよくあるんだけど、本人にとっては深刻なことだから、誰にも相談できなくてひとりで悩み続けてしまうのよね。

 了治の悩みはいつか解決していくのかな?歳を取ったら少し考え方が変わっていくのかな?

 とにかく、壮介の分も幸せに生きて欲しいな。

2880冊目(今年218冊目)

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