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『名もなき本棚』 三崎亜記 243

名もなき本棚

三崎亜記(みさき あき)

集英社文庫

 三崎さんの作品には、いつも不思議なことが起きるのです。この本は短編集(19篇収録)なので、不思議なことがたくさん登場して、シュールだったり、怖かったり、笑っちゃったり、様々な感情が沸き上がってくるのです。

 表題作の「名もなき本棚」は、あるビルの非常階段の踊り場に存在する本棚の話です。そんなところに何故本棚があるのか?と思っていた女性がある日、その本棚を整理している人に出会って、この2人の会話がとても面白いのです。

 そして、オオ~と思ったのは「回収」です。ゴミの回収の分類が65通りもある地域で、「ペットボトル」や「新聞紙」と同じように「会社員の回収日は毎月第四木曜日」と決められているのです。けっこう怖いシチュエーションよねぇ。

 デパートのショーウィンドウの中で暮らす女性がいるという「スノードーム」というお話。わたしは昔、ディスプレイのお仕事をしていたことがあって、デパートのウィンドウ内で作業をしていると、外からじっと見ている人がいたことを思い出してしまいました。

 「ゴール」はまるでわたしの人生のようだなぁ。ある目標を向かっていたはずなのに、そのゴールがどんどん移動してしまうのって、それも人生というべきなのでしょうかねぇ。

 

 この本の中の3作品「私」「ゴール」「公園」が、中学・高校の教科書に採用されているのだそうですが、こういう作品に若いうちに出会えるのって幸せだなぁって感じるのはわたしだけでしょうか。

2905冊目(今年243冊目)

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