『ぼくはおじいちゃんと戦争した』 ロバート・K・スミス こだまともこ 訳 237
ピーターのおじいちゃんは、おばあちゃんが亡くなってしまい、ふさぎがちになっていました。足の具合も悪いし、わが家にやって来ることになりました。おじいちゃんのことは大好きだから一緒に住むのは嬉しいんだけど、実は大問題があるのです。それは、2階にあるピーターの部屋をおじいちゃんの部屋にして、ピーターは3階へ行けと両親から言われてしまったのです。
大好きな部屋から追い出されるんだという気持ちが、ピーターの中で大きく膨らんで、どうしても自分の部屋を取り戻したいと思うピーターは、おじいちゃんに戦争を布告することにしました。自分の陣地(部屋)を返せ!ってね。
いろんな作戦を練って、おじいちゃんと対決するのだけれど、どうにも上手く行きません。
ピーター、戦争はゲームじゃない。ゲームだと思ってるのは、子どもとバカ者と、将校以上の軍人だけだ
いつもは優しいおじいちゃんが放ったこの一言は強烈でした。そういうことを考えたことがなかったピーターにはかなり難しいことだったけど、おじいちゃんと話し合うことが大事だなってわかっていく過程がとてもいいなと思いました。
よく考えてみると、おじいちゃんが住む部屋をどうしようか?という相談を両親からまったく受けていなかったのです。どうして、そんな勝手なことを大人はするんだ!とピーターは怒っています。でも、両親とではなくおじいちゃんと戦おうとしてしまうのは、何故なのかしら?
何か問題が起きた時に、すぐにケンカ(戦争)をしてはいけない。まずは話し合いだっていうことを、わからない人が世界中に大勢います。だから戦争がなくならないのでしょう。だからこそ、ピーターとおじいちゃんのように、解決方法を話し合いで探るって大事です。
ちゃんと話し合えたら、意外な解決方法がきっと見つかるはずですから。
2899冊目(今年237冊目)
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