『ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒』 島崎今日子 245
GSブームの時、様々なグループが活躍していたけど、タイガースは別格だった。それはやっぱりジュリーがいたからなんだと思う。当時小学生だったわたしたちはにとってもアイドルだったもの。
あんなにもすごかったGSブームが終り、PYGが結成されたとき、デビューシングル「花・太陽・雨」を聞いて凄いなぁと思ったけど、そんなに長くはできないんだろうなという予感もあった。
そしてソロ・シンガーとなり、ヒット曲を連発した時代、次は何をやってくれるんだろうっていつも楽しみにしていた。ジュリーはいつでもスターだって思ってた。
早川タケジが衣装を担当するようになってから、ジュリーの衣装は奇抜さを増し、それもまた楽しかった。
この本を読んでいて感じたのは、みんなジュリーが好きだったんだなぁということ。ファンはモチロン、音楽を作っていた人も、コスチュームを作っていた人も、お芝居を作っていた人も、みんなジュリーに憧れ、一緒に新しい何かを作り出すことを喜んでいたのだということ。そしてジュリー自身は、自分に求められる役目をキッチリやろうと努力し続けていたのが、ちょっと痛々しいほどだということ。
ショーケンとの対比も面白かった。演じることもあるけれど、主はシンガーとして生きるジュリーと、俳優としての才能を伸ばしていったショーケン。どちらも不器用なところがあって、変に目立ってしまうことが多かったり、誤解されたり、そういうところをお互いに理解し合える貴重な存在だったんだろうなぁ。
タイガースのデビュー曲「花の首飾り」の衣装はコシノジュンコだったとか。「戦場のメリークリスマス」のヨノイ大尉の役は、最初はジュリーにオファーがあったけれど、断ったこととか、この本で初めて知ったことが色々ありました。
それにしても、この本を書いた島崎さんの熱意は凄いものがあります。その迫力に圧倒され、一気に読み通したジュリーの歴史は、実に波乱万丈です。近年、映画の出演が続き、ジュリーがまた違う形で表舞台に戻ってきました。これからも、まだまだいろんな活躍をしていくんだろうなぁと思うと、ワクワクしてきました。
2907冊目(今年245冊目)
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